名称:ガジュツ(莪朮)
学名:Curcuma zedoaria
ショウガ科 ウコン属の多年草




産地

インド、ヒマラヤ原産、東南アジアの熱帯地方で栽培。日本では屋久島などで栽培。

成分

シオネール、カンファー、アズレン、デハイドロクルジオン、フラノゲルメノン、フラノジエノン、クルツェレノンなどのモノテルペン類、セスキテルペン類の精油成分

栽培


採取

ガジュツの2〜5月に肥大した主根茎と側根茎を採取し乾燥。

ガジュツはショウガ科クルクマ属の植物で、紫ウコンとも呼ばれます。ガジュツは、見た目ウコンとはあまり変わらないのですが、輪切りにしてみると、その違いがわかります。ウコンの切り口は黄色ですが、ガジュツの切り口は紫色をしています。その色の違いはというと、それは、クルクミンのがあるかないかなのです。黄色い色素成分であるクルクミンはウコンには含まれていますが、ガジュツには含まれていません。

ガジュツは精油を多く含み、特にシネオール、カンファーなどの殺菌、防腐作用を持つ芳香成分であるモノテルペン類と、最近の研究で優れた抗炎症作用を持つことが解明されたデハイドロクルジオンをはじめフラノゲルメノン、フラノジエノン、クルツェレノンなど、薬効の主役とも言えるセスキテルペン類の含有量が高いことが明らかになってきました。薬効としては、ウコンよりも少し強いとされています。

ガジュツとウコンを併用することにより、働きがさらに高まることが経験的に知られています。それは、ガジュツに含まれる精油成分のうち、アズレンは潰瘍や炎症を改善したり、胃液の過剰な働きを抑えたりする働きがあり、カンファーには胃の働きをよくする健胃作用があるからです。

また、胃・十二指腸潰瘍の主要な原因と考えられているのが、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)ですが、胃・十二指腸潰瘍の患者さんにガジュツを使ったところ、ピロリ菌が消滅し、潰瘍の再発も見られないと報告され、ガジュツはピロリ菌除去に一定の効果を発揮することが確認されています。この効果はガジュツに含まれるシオネール、カンファー、アズレンなどの 精油成分 によるものだといわれています。

アズレン
ガジュツに含まれるアズレンという成分には、炎症や潰瘍を治したり、肝臓の動きを高めたり、血圧を降下させたりする作用や、腸に溜まった老廃物を押し出し、短時間で排出するダイエット効果があるといわれています。

シネオール
ガジュツに含まれるシネオールという成分には、胃液や胆汁の分泌を促進する健胃作用があり、同時に殺菌・防腐作用や余分なコレステロールを排出する作用もあります。

カンファー
ガジュツに含まれるカンファーという成分には、血行促進作用や鎮痛作用・消炎作用などがあります。そのため外用医薬品の成分として使用されています。

この3大成分のほかに、100種類近くもの有効成分が含まれています。

 

民間療法での利用方法

胃のもたれ、消化不良、駆風(くふう・胃腸のガスを排出)
⇒1日量6〜10グラムを適量の水で煎じて飲みます。

腰痛、肩こり、疲労回復
⇒葉を刻んで陰干しにして入浴剤として使用